小瀬選手とエンケ選手 - 教科書的日常

　オリックスの小瀬浩之外野手が５日、春季キャンプで宿泊している沖縄県宮古島のホテルから転落死した。

　このショッキングなニュースを見て、個人的に思ったことを書きたい。あくまで「自殺か？」という憶測の時点での既述は不謹慎かもしれないが、ご了承いただきたい。

　最初は「転落死」というニュースが読売で出て、Yahoo!にも出たものの一端削除。ガセネタにしても不謹慎だなと思うものの、その後他のメディアでも報道されてそれが事実だと実感。

　その上で、今朝の新聞等を見ると「自殺」の文字が躍る。

　こうなると、単に弱音を吐いていただけだとしても、それが自殺の兆候として躍ることになる。

　と、その報道の姿勢に関しては突っ込みたいところもあるが、それは置いておいて、今回この件で思い出したのが、タイトルにもあるとおりエンケ選手だ。

　ご存じの方は多いと思うが、昨年11月にドイツブンデスリーガのハノーファー96に所属するロベルト・エンケ選手が踏み切りから特急列車に飛び込んで自殺を図った。その後の報道で、彼がうつ病で苦しんでいたということが判明したのだ。

　ナンバーの記事に詳しいが、これを見て、もし小瀬選手がそういった理由で苦しんでいたとしたら･･･と考えてしまったのだ。他の記事にもあるとおり、小瀬選手は向上心が高く、まじめな選手だったと言うことが伺える。

　理由がはっきりしていない段階で、このようなことを書くことはとても不謹慎だと思う。でも、スポーツ選手のメンタルヘルスという面ももっと考えるべきなのではないかと。前述のエンケ選手の報道に関しても、そのショッキングな事実以外はあまり報道されなかったように感じる。ダイスラー選手の件もしかり。

　ナンバーの記事にもあるが、「うつ病」をタブー視して、無かったことにすることだけはやめて欲しい。選手だって人間だ。

　精神的に参ってしまうこともあると思う。「プロなんだから」という意見もあるだろうが、なることは実際問題起こるのだし、なった場合に「頑張って治せ」ではダメなことも事実なのだ。

　だからこそ、仮に今回の小瀬選手の件がどういう方向で推移するにせよ、スポーツ選手のメンタルヘルスという面ももっと考えるべきなのではないかと思う。

　小瀬浩之選手のご冥福を心よりお祈りいたします。